不動産投資リスクと対応 -Step8-



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STEP8 建物の付加価値を増幅させる修繕費用
建物の修繕費用は数年または十数年に一度発生する臨時的な支出のように思えますが、建物は年数とともに老朽化していきますので建物を所有する上で避けられない必要経費なのです。したがって不動産投資をする場合は、ある程度の修繕費を見込んで投資計画をたてることが望ましいといえます。 建物の付加価値を増幅させる修繕費用についてご説明いたします。
ライフスタイルの変化により発生する臨時支出
年数の経過とともに建物は老朽化しますが、同じように時間経過とともに社会、経済情勢、価値観や生活環境も変化し、人々のライフスタイル、ビジネススタイルも変わってきています。それにあわせて、賃貸用のマンションやオフィスも年々変化し、昔に比べると付加価値の高いものになっています。加えて、賃貸用建物の大量供給も影響し、賃貸市場は借り手のニーズにあわせようとさまざまな仕様のものが登場し、競争が激しくなってきています。 このようなことから仕様の古い賃貸用建物は必然的に競争力を失い、賃料の引き下げを余儀なくされたり、空室になるリスクが高まってきています。
都市部における時代の変化とライフスタイルの変化
20年前、30年前に建築された賃貸住宅や賃貸オフィスと、近年建築されたものとを比較してみると、その仕様の違いがわかると思います。建築当初は、その時のトレンドを反映したものなのでしょうが、やはり現在のトレンドとは多少異なっています。 このようなことから現在新築したばかりのマンションを購入した場合でも20年後30年後には時代遅れのものになってしまうということを頭に入れておく必要があります。築年数が経過し、トレンドを反映していない建物については、老朽化に伴う修繕に加えて、現在のライフスタイル、トレンドにあわせたリフォームをすることにより通常の修繕よりも費用は多くかかりますが、建物の付加価値を増した競争力の高い物件にすることが可能です。
ライフスタイルの変化によるリニューアルの例
近年の中古物件をみると建物そのものはしっかりしており、まだ十分に使用できるにもかかわらず、マーケットやライフスタイルの変化により間取りや設備が陳腐化してしまい、入居者の確保が困難になっているケースが多く見受けられます。
耐用年数経過による建て替え費用
建物は土地と違って、時代とともに老朽化し、いつか必ず使用できなくなってしまいますので、建物を永遠に賃貸し続け、収益を上げることはありえないのです。当然のことですが、また新たに建物を建築し、賃貸しなければ収益を上げることができません。耐用年数や時代の変化、ライフスタイルの変化を考えると建築後25年から35年くらいが建替えの一つのターニングポイントといえるでしょう。
建物の耐用年数(税務上、建物の減価償却費を計算する上での耐用年数表)
建物の寿命とライフスタイルの変化を考えると、やはり建物が建築されてから30年を一つの目安に、「建替え」あるいは「大規模リニューアル」という意思決定をしなければならないのです(更地にする、売却するなどの選択もありますが)。いずれにしても築後30年前後には多額の修繕費用または建物の建替え費用が発生します。たとえば築20年の中古物件に投資した場合、築30年を迎える10年後には建替えや大規模な修繕などの大きな費用が発生することを投資計画に入れなければ大きな失敗になりかねません。
建物と資産価値
不動産投資は建物の築年数が浅いときは修繕などのコストが発生しないため、ある程度イメージどおり、計算どおり収益を生みますが10年、15年経過したあとに、どのような修繕計画(修繕やリフォームなど)をもって運用するのかが投資成功の大切な鍵となってきます。競争が激しくなるこれからは特に意識して取り組むべき問題です。
修繕費用は主に以下の3つに大別されます。
不動産投資は、購入したらおしまいではなく、中長期的に設備投資を要する事業です。したがって修繕などの設備投資計画を上手に立てなければ収支計画に大きな狂いが生じてしまいます。その設備投資資金は、いうまでもなく毎年の賃料から必要経費を差し引いた余剰資金から賄わなくてはいけません。将来の修繕などに備えて計画的に余剰資金を積み立てておかなければ、後で大きく計画がくるうことになりかねません。このようなことから不動産投資における本当の利回りはイメージしていた以上に低くなるのです。