賃貸お役立ち情報 不動産投資リスクと対応 -Step7- 売買情報 基礎知識 不動産投資リスクと対応 Posted:2015/07/01 STEP7 修繕費用のポイント不動産投資を成功させるためには支出に関するリスクを把握したうえで上手にマネジメントすることが必要となります。不動産投資における支出には、管理コストや税金など毎年、経常的に発生する支出と修繕費などのように数年に一度、臨時に発生する支出の2つがあります。臨時支出についてお話します。不動産投資における大きな臨時支出、修繕費用不動産投資における臨時支出の主なものは建物を維持していく上での修繕費用です。不動産投資は基本的に建物の全部または一部を賃貸することにより家賃収入を得ることが目的となっていますので、安心して使用する事のできる良質な建物を提供することが安定した収益を確保するためのポイントとなります。別の言い方をすれば投資家(貸主)は入居者(借主)から賃料をいただく代わりに、入居者が安心して使用できるような状態に保つ義務があるのです。建物は年数とともに老朽化してきますので定期的なメンテナンス(修繕)が必要となります。1棟の投資用不動産を購入した場合は以下のような修繕費用が発生します。修繕の部位修繕時期の目安屋根、屋上の防水加工10年前後外壁補修、塗替え10年前後鉄部防錆加工3〜5年前後機械設備等15年〜20年前後給排水管の補修、交換15年〜20年前後※上記は一般的な目安であり個別事情により異なります。 このように建物は建築してから10年経過したあたりから修繕が必要となってきます。したがって当初10年程度は修繕コストなどの臨時支出はあまり発生しませんが、将来の修繕を見据えて賃料収入の一部を積み立てておくことが望ましいでしょう。また、中古建物に投資する場合は、購入後、短期的にどれくらいの修繕コストが発生するかを購入前にあらかじめ専門家に試算してもらい、修繕コストも見込んだうえで投資計画をたてるのが望ましいでしょう。交渉によっては修繕に要するコスト相当額を売買代金から差し引いてもらうことも可能となる場合があります。賃貸部分(専有部分)の修繕費用1棟の賃貸用建物に投資をした場合、前述のような建物全体を維持する為の修繕費用に加えて、実際、借主が使用している賃貸部分(専有部分)の修繕も必要となります。 借主との契約期間の満了や中途解約などにより、借主が入れ替わる場合の修繕費用は借主と特別な約束がないかぎりは、通常、貸主が負担することとなります。特に居住用の建物を賃貸している場合は、入居者が入れ替わるたびに室内のクリーニングや畳の表替え(最近は和室が少なくなってきているが)場合によってはクロスの張替えやカーペットの張替えが行われますが、これは借主の故意や過失によるものでない通常の生活において損耗するものであるかぎり、貸主の負担となります。退居時には原状回復が必要となります。借主に義務として課されている「原状回復」とは、退去の際に、借主の故意・過失や通常の使用方法に反する使用など、借主の責任によって生じた住宅の損耗やキズ等を復旧することです。その復旧費用は、借主が負担するのが原則です。経年劣化及び通常の使用による損耗・キズ等の復旧については、貸主が行うのが原則です。その復旧費用は貸主の負担です。貸主と借主との合意により、上記の原則と異なる特約を定めることができます。ただし、通常の原状回復義務を超えた負担を借主に課す特約は、すべて認められる訳ではなく、内容によっては無効とされることがあります。かつては賃借人から入居時に預かった敷金を原状回復費用と称して入居者入替え時の修繕費用に充当している貸主が多かったようですが、原状回復の定義と費用負担をめぐり賃借人とのトラブルが頻発したため、平成10年に国土交通省が主導となり改めて原状回復費用負担についてのありかたを示したガイドラインを作成しました。また東京都では平成16年に「賃貸住宅紛争防止条例」を施行し、これにより借主が通常使用する上での損耗は家賃に含まれているとされ、特別の約束がない限りは貸主が負担することがより明確になりました。このように明確なガイドラインが示された事から、特に賃貸住宅に投資した場合には入居者が入れ替わる度に必ず修繕費用負担が発生すると考えなくてはいけません。特約によって退居時の原状回復費用を借主に余分に負担させる事も実務的には可能となりますが、賃貸住宅の競争が激しい現在においては決して得策とはいえないでしょう。また、室内に設置してある冷暖房設備やキッチン、給湯器具などは一般的に10年から15年で寿命をむかえ、交換する必要がでてきます。このような設備の交換に要する費用も当然、貸主である投資家の負担となります。マンションの一室などの区分所有建物の場合マンションなどの区分所有建物は各住戸部分を指す専有部分と建物本体およびエントランスや廊下、階段などの共用部分とに分かれております。各住戸部分である専有部分の修繕は、その所有者がそれぞれ行うこととなりますが、共用部分の管理、修繕は、区分所有者により構成する管理組合で行うこととなっており、その修繕費用は区分所有者が共同して捻出することとなります。したがってマンションなどの区分所有建物の場合はあらかじめ「修繕積立金」として将来発生するであろう修繕に備えて毎月区分所有者でお金を積み立てているのです。 修繕の部位修繕時期の目安共用部分屋根、外壁などの建物本体およびエントランス、廊下、階段、機械設備等区分所有者全員で賄う専有部分各住戸の内部各所有者負担最近では中長期の修繕計画を立てているマンション管理組合も増えてきていますので、将来どれくらいの修繕費用が発生するのかということは、ある程度予測可能となっています。 また、中古マンションの一室を購入する場合は、現在、そのマンションに修繕積立金がどれくらい貯まっているのかを管理組合に紹介することが可能となっておりますので、修繕積立金の残高と、中長期の修繕計画を照会することによって、将来の修繕費用をあるていど予測することが可能となります。 このように建物は年を重ねるごとに老朽化し、修繕が必要となります。修繕費用は数年または十数年に一度の臨時的な支出ですが、建物を保有する限り必然的に発生するコストと考えてよいでしょう。不動産投資をする場合、総投資金額に対して家賃収入から毎年発生するコストを指し引いた実質の利回りに着目してしまい、中長期的に発生する修繕費用を考慮していないケースがほとんどです。建物の修繕費用は将来、または数年に一度、必ず発生します。修繕費用を加味すると、実際の利回りはもっと低くなるのです。特に中古物件に投資するときは専門家に相談の上、最低でも、短期的に発生するであろう修繕費用を考慮して投資金額の算出または利回りの算出をするのが望ましいでしょう。 最新記事 新倉敷駅周辺情報 総社市エリア情報 北長瀬駅周辺情報 関連した他の記事 マンション経営基礎知識 STEP2 売却までの流れ -Step1- インフレ対策について 住宅ローンについて知っておきたい事 不動産投資入門 - STEP6
STEP7 修繕費用のポイント
不動産投資を成功させるためには支出に関するリスクを把握したうえで上手にマネジメントすることが必要となります。不動産投資における支出には、管理コストや税金など毎年、経常的に発生する支出と修繕費などのように数年に一度、臨時に発生する支出の2つがあります。臨時支出についてお話します。
不動産投資における大きな臨時支出、修繕費用
不動産投資における臨時支出の主なものは建物を維持していく上での修繕費用です。不動産投資は基本的に建物の全部または一部を賃貸することにより家賃収入を得ることが目的となっていますので、安心して使用する事のできる良質な建物を提供することが安定した収益を確保するためのポイントとなります。別の言い方をすれば投資家(貸主)は入居者(借主)から賃料をいただく代わりに、入居者が安心して使用できるような状態に保つ義務があるのです。建物は年数とともに老朽化してきますので定期的なメンテナンス(修繕)が必要となります。1棟の投資用不動産を購入した場合は以下のような修繕費用が発生します。
※上記は一般的な目安であり個別事情により異なります。
このように建物は建築してから10年経過したあたりから修繕が必要となってきます。したがって当初10年程度は修繕コストなどの臨時支出はあまり発生しませんが、将来の修繕を見据えて賃料収入の一部を積み立てておくことが望ましいでしょう。また、中古建物に投資する場合は、購入後、短期的にどれくらいの修繕コストが発生するかを購入前にあらかじめ専門家に試算してもらい、修繕コストも見込んだうえで投資計画をたてるのが望ましいでしょう。交渉によっては修繕に要するコスト相当額を売買代金から差し引いてもらうことも可能となる場合があります。
賃貸部分(専有部分)の修繕費用
1棟の賃貸用建物に投資をした場合、前述のような建物全体を維持する為の修繕費用に加えて、実際、借主が使用している賃貸部分(専有部分)の修繕も必要となります。 借主との契約期間の満了や中途解約などにより、借主が入れ替わる場合の修繕費用は借主と特別な約束がないかぎりは、通常、貸主が負担することとなります。特に居住用の建物を賃貸している場合は、入居者が入れ替わるたびに室内のクリーニングや畳の表替え(最近は和室が少なくなってきているが)場合によってはクロスの張替えやカーペットの張替えが行われますが、これは借主の故意や過失によるものでない通常の生活において損耗するものであるかぎり、貸主の負担となります。
かつては賃借人から入居時に預かった敷金を原状回復費用と称して入居者入替え時の修繕費用に充当している貸主が多かったようですが、原状回復の定義と費用負担をめぐり賃借人とのトラブルが頻発したため、平成10年に国土交通省が主導となり改めて原状回復費用負担についてのありかたを示したガイドラインを作成しました。また東京都では平成16年に「賃貸住宅紛争防止条例」を施行し、これにより借主が通常使用する上での損耗は家賃に含まれているとされ、特別の約束がない限りは貸主が負担することがより明確になりました。このように明確なガイドラインが示された事から、特に賃貸住宅に投資した場合には入居者が入れ替わる度に必ず修繕費用負担が発生すると考えなくてはいけません。特約によって退居時の原状回復費用を借主に余分に負担させる事も実務的には可能となりますが、賃貸住宅の競争が激しい現在においては決して得策とはいえないでしょう。また、室内に設置してある冷暖房設備やキッチン、給湯器具などは一般的に10年から15年で寿命をむかえ、交換する必要がでてきます。このような設備の交換に要する費用も当然、貸主である投資家の負担となります。
マンションの一室などの区分所有建物の場合
マンションなどの区分所有建物は各住戸部分を指す専有部分と建物本体およびエントランスや廊下、階段などの共用部分とに分かれております。各住戸部分である専有部分の修繕は、その所有者がそれぞれ行うこととなりますが、共用部分の管理、修繕は、区分所有者により構成する管理組合で行うこととなっており、その修繕費用は区分所有者が共同して捻出することとなります。したがってマンションなどの区分所有建物の場合はあらかじめ「修繕積立金」として将来発生するであろう修繕に備えて毎月区分所有者でお金を積み立てているのです。
最近では中長期の修繕計画を立てているマンション管理組合も増えてきていますので、将来どれくらいの修繕費用が発生するのかということは、ある程度予測可能となっています。 また、中古マンションの一室を購入する場合は、現在、そのマンションに修繕積立金がどれくらい貯まっているのかを管理組合に紹介することが可能となっておりますので、修繕積立金の残高と、中長期の修繕計画を照会することによって、将来の修繕費用をあるていど予測することが可能となります。
このように建物は年を重ねるごとに老朽化し、修繕が必要となります。修繕費用は数年または十数年に一度の臨時的な支出ですが、建物を保有する限り必然的に発生するコストと考えてよいでしょう。不動産投資をする場合、総投資金額に対して家賃収入から毎年発生するコストを指し引いた実質の利回りに着目してしまい、中長期的に発生する修繕費用を考慮していないケースがほとんどです。建物の修繕費用は将来、または数年に一度、必ず発生します。修繕費用を加味すると、実際の利回りはもっと低くなるのです。特に中古物件に投資するときは専門家に相談の上、最低でも、短期的に発生するであろう修繕費用を考慮して投資金額の算出または利回りの算出をするのが望ましいでしょう。